四百年眠った呪われし神を起こしたのは、かつての恋人によく似た幼い女神だった――
【あらすじ】
三重県松阪市――
藤原遙(年代不詳/見た目年齢十六歳)は和鏡に宿る神である。
数百年ぶりに眠りから覚めたが、『神』の存在を司る『神力』が乏しく、困っていた。
全国八百万『神』の管理・統括担う『出雲御社』の規定で、月三個の願い事を叶えると『神力』の配給を受けることができるのだが、弱った遙ではそれもままならない。
ある日、遙は町外れ――鎮守の森に祀られている『神』を訪ねる。
『神力』を分けてもらうことができないか、と考えたわけだが、そこには遙の予想外の『呪われし神』が眠っていて……
遙と黒正――両極の『神』が狂おしいほどに惹かれ合う、時空を超えた歴史恋愛ファンタジー。
【蝶つがい――本編冒頭より】
『神』である私が最期に願ったことは、大切な人たちの穏やかで幸せな暮らしが続くことでした。永く眠る『体』と、『心』は離れ離れになって、『心』はきっと朽ち果ててしまうことになるでしょうが……決して後悔はしていません。
共に生きる術をあの時代、あの頃の私にはわからなくて、このような結末を迎えてしまったけれど……貴方と過ごした日々を私は宝物にします。
『家宝』と崇め讃えられた私ですが、その私の宝物は貴方と過ごした日々の記憶です――。
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